放し飼いのウェルカムフルーツを引き連れて 今鍵をあけるわ
おじゃまします、は猫がなつくお呪い 冬の同棲は楽じゃないよな
ふれる手でわかったの、あたし、魔改造潜水艦の一機なのだわ
なんべんも撫ぜてあたしを今 雪の城だと思いかけていたのね
赤道が好きよほんとうは青い道ときどき鯨や声が通った
タルトを持って走る火の鳥鳳凰編がいちばん好きで、だから走るの
一貫性は欲しくなくても 鵺の手できのうのあたしのスケッチを描く
口内炎パッチを奪ってきみに 真 昼の 星 を 見せるよ
ふっくらとした筆跡で今日ついた嘘のメモがありからいの得意、と
波を平(なら)すよう絹どうふをくちゃっとさせて古びてゆくことがこわくない