夜めかないで 夜嵐はひややかに詰めよるけれど よろめかないで
雲という巨きな指がことごとく首輪をはずす 風は猟犬
桟橋をつながれたままゆり動くすわんぼーとのしろい脊椎
雨すべてはだかの胸で抱きしめて重くしなったはるにれの木よ
うらないを知らない獣にやさしさはない花という花持ちさって
みずうみはがらすの花瓶 なだれ込む花びらなべて留めたままで
速回しがおるごーるをきしませて時間は夜を越えてしまえよ
雨は水のひとつのかたち みずうみが水を沈めて静まりかえる
安眠のための体位を 雲は手をやすらげるよう組みかえていく
雲間より降りくるひかりやわらかく天蓋めいておやすみなさい